教育相談だより 8「不登校への対応について(1)」

⌚令和3年12月15日投稿

 

 

  不登校の生徒への教師の対応、子どもへの親の対応について、「相手の気持ちを受容しなさい。」という言葉をよく耳にします。今回は「受容」はどんなことなのかについて考えてみましょう。

 

 以前の私のコラムで「学校に行きたくない。」という子どもの言葉への反応として、まずはオウム返しのよう返答をすることから自己理解や気持ちの共有につながるということを書きました。つまり、不登校の状態をあるがままに受け容れることが大切なのです。その姿勢が相手に無理をせず今のままでいいという自己肯定感を与えることになります。

 

ところが、以前私が関わった不登校の子どもを持つ親御さんから「あるがままに受け容れるということは甘やかすことになって、子どものわがままの言いなりになるということなのですか。」という質問を受けたことがあります。答えは「受け容れる」ということと「甘やかす」ということは違います。あるがままに受け容れるということは、相手を無理にこちらの望む方向へ変えようとせず、自らの判断で前向きに生きていこうとする相手の力を信じて見守るということです。

 

 もちろん不登校の子どもは、いわゆる「わがまま」と思われることを求めてくることがあります。そんな時に相手との間の境界線が必要です。とうてい認められないことに対しては、「ダメ」と言うことです。また、相手の心を詮索したり決めつけたりすることをやめます。そうしていくことから、自分と相手の心理として、「ダメなことはダメなんだ」とお互いに割り切ることができるようになります。

 

 甘やかすのではなく、お互いの気持ちを思いやりながら、安心して「ダメ」と言える関係になるということは相互の人格を大切にするということなのです。それが不登校をあるがままに受け容れるということになります。

 そうするうちに時間がかかっても、子どもがつらかったことを話せるようになります。同じ時間を少しでも過ごしながら「学校に行かなくてもいいから、ゆっくり心と体を休めましょう。」という気持ちで接してください。