教育相談だより 4「性格の見方を変えるということ(1)」


⌚令和3年10月1日投稿

 

 

 

 秋も深まり木々の紅葉の知らせも届き始めました。時の流れの速さをしみじみと感じています。これも年齢を重ねてきたことのせいかもしれません。

 

さて、皆さんは自分や周りの人たちの性格を認識しておられると思います。例えば私の場合は、物事に取り掛かるまでいろいろ考えすぎて、なかなか取り掛かれないという一面があります。見方によると「面倒くさがり、のんびり屋」という性格だと思いがちです。しかし、見方を変えると「慎重で細かいところまで配慮する」ということになるでしょうか。つまり人の性格のとらえ方には表と裏があって、一面的にはとらえられないということです。

 

 かつて現役の教員時代に夏休みと冬休み前に保護者・生徒との三者面談期間が設けられ、約1週間毎日数名ずつ面談を行いました。経験の浅い頃の私は、この際とばかりに生徒の学校での様子の中で気になることを立て続けに保護者に伝えていました。たとえば「A君は宿題を提出しないことが多いし、授業の予習もしていないので試験でいい点数を取っても成績は伸びません。」というような調子です。保護者はひたすら聞き役で生徒はうつむいたまま、にこりともしません。ひどいときは保護者が私の面前で生徒を厳しく𠮟る場面もありました。私は自分の言いたいことがきちんと伝わり、生徒も気持ちを入れ替えて行動の変容が見られると思っていたのですが、事実は逆でした。

 

 しばらくしてカウンセリングの研修に参加した私は、さきほどの性格の表と裏のとらえ方を知り、面談の仕方を変えました。事前に保護者・生徒に面談で話したいこと、聞きたいことについての個人別アンケートをとり、当日はその内容を中心にしてできるだけ保護者・生徒に発言してもらうようにしました。そして特に私が気をつけたのは、あくまでも生徒のいいところを保護者に伝えるということでした。わずか十数分間の面談で生徒の気持ちが大きく変容することなど期待せず、少なくとも保護者・生徒に明るく前向きな気持ちが生まれることを目指しました。そのせいか、保護者も生徒たちも見栄や世間体に縛られず本音で話ができるようになりました。当然私も肩の力が抜けて、ありのままの自分で接することができるようになりました。クラス経営や授業経営も好転していきました。

 

 誰も自分の性格を否定的に評価されて喜びません。そして心の扉を閉じてしまいます。同じ性格を別の視点から肯定的に評価されることで心のモチベーションも向上しますし、行動にも現れてきます。その視点でまずは自分の性格を診断してみてください。きっと気持ちが変わります。